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問屋がなくなる?

一九六二年、当時東京大学の助教授が「流通革命論」を提唱した。いまでこそ、「問屋がなくなる」という論は多くが口にしているが、問屋無用論が唱えられたのは、ここで最初である。だが、当時の経営者の反応はどうだっただろうか。「そんなばかなことを」と一笑に付しただけだったのではないだろうか。しかし、それが現実の問題となってしまった。問屋の経営者の受け身の姿勢がいつの間にか問屋・メーカーの体質を弱めている。たしかに筆者がとくに繊維の調査研究活動をしていた一九六五年ごろのことだが、現金問屋から出発し、全国規模の呉服問屋にのし上がった大和産業の倒産があった。その後、やはり呉服問屋の荻野などが続き、これら一連の倒産は、江戸時代からの伝統に輝いてきた問屋に起きたことであったのだ。そしていま、再びその嵐が、さらに激しく問屋街に吹き荒れているといっていい。江戸時代から三〇〇年以上も続いてきた老舗。ヒト、モノ、カネの全部揃った無借金経営といわれてきた会社が、いまなすすべもなく苦境に陥っている。