専門家が育った環境は、父親が個人で不動産業を営み、家と事務所が兼用だったため、その業界の雰囲気に早くからなじんでいた。そのせいもあるだろう、設計士の道を志し、大学も建築科への入学を望んだが、軽い色弱のため受験要項をクリアできずに断念している。しかし専門家は、衣食住の中心にある住まいの仕事ならば、食いっぱぐれることはないだろうと踏んでいた。「特に頭がいいわけでもなければ、何かの技量を持っているわけでもありません。また、体力的に人より優れているというものもありませんでしたしね(笑)。こういう人間になりたい、というのもまったくありませんでした。本当に、ないない尽くしでしたね(笑)」破顔一笑の専門家だが、並の人間ならば二十二年間も社長として会社を率い、しかもその間、バブル経済崩壊という、不動産・建設業界にとって未曾有の荒波を乗り越えることはできなかっただろう。平成十六年十二月期の売り上げが、某建設会社単体で年商六〇億円、グループ年商が一六〇億円である。何も持たない人間に、この業績はできるものではない。ことのついでに記しておくが、社員数は一七〇人、グループ総数では三〇〇人を数える。また、平成十五年にスタートした「五ヶ年計画」では、二〇〇五年にはグループ年間二一○億円、二〇〇六年二六〇億円、二〇〇七年三四〇億円(数字は概数)を予定しており、この最終年の二〇〇七年に株式上場を果たす考えなのだ。「ないない尽くし」は、冗談が過ぎるというものだ。専門家は、一見すると当たり障りのない話ばかりしているように感じるが、よくよく聞いてみると、結構すごいことをいっている。それをサラリといってのけるところに、ほかの人間にはない「何か」が備わっているのではないか。やはり並ではないのだろう。
[参考サイト]
立体駐車場メンテナンスのサンコー・コミュニティ株式会社
http://www.sanko-c.jp/
アパート経営の株式会社MDI
http://www.mdi.co.jp/land_use/apt_management/
賃貸経営の詳細
http://www.mdi.co.jp/